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昨年末に『タイムライン』と同時に購入したもの。
<火星三部作>のK.S.ロビンスン、しかも南極もの、ということで速攻、レジへ。 小学生の頃、日本の南極越冬隊の本を読んで、南極に行くことに憧れたものでした。中学生のころまではまじめに地球物理学者を志望。しかし、親戚の地震学者に「数学が得意でないととダメだよ」と言われ、数学が得意でなかった私はアッサリ諦めてしまいました。今にして思えば、もう少しがんばればよかったなぁ。だって、理工系の仕事のほとんどは、やっぱり数学が大事で、同じなんだから。 キム・S.ロビンスン〔著〕 / 赤尾 秀子訳 講談社 (2003.12) ISBN : 4062739194 価格 : ?840 通常2-3日以内に発送します。 キム・S.ロビンスン〔著〕 / 赤尾 秀子訳 講談社 (2003.12) ISBN : 4062739208 価格 : ?840 通常2-3日以内に発送します。 ■あらすじ 近未来の南極。ストーリーの視点を担うのは、野外作業受託会社の作業員・X、ベテラン登山家で美人観光ガイドのヴァル、ワシントンの上院議員スタッフであるウェイドの3人。立場も考え方も違うこの3人それぞれが巻き込まれる南極の旅と冒険が交互に語られ、中国人の詩人/ジャーナリストによる南極の情景と探検史のレポートが挿入される構成。 ■感想 独特な迫力と美しさのある、不思議な物語でした。 SFというほど突飛な設定ではないけれども、語られているテーマは「地球環境問題」という人類全体にかかわる重いもので、解説には「ディストピア小説」として紹介されたくだりも述べられているほど。一方で、3人の主要登場人物や詩人ジャーナリストの言葉を借りて描写される南極の情景は、あくまで美しく、詩的。また、火星ものでは当然あり得ない、アムンセン、スコット、シャクルトンと言った、前世紀の探検家たちの物語により、南極という土地への人間の執着が語られ、物語に厚みを加えてくれています。 上・下2分冊の前半は、登場人物たちが旅の途中で出会う南極大陸のさまざまな風物が淡々と語られ、環境保護アピールのための”エコタージュ”(環境テロ)によって物語が大きく動くのは後半になってから。このため、前半は退屈な感じもあるのですが、ここで深められる南極への認識から、エコタージュ後の事態収拾と登場人物たちの考え方の転換について、いろいろと考えさせられました。単なる秘境アドベンチャー小説とするには、あまりにももったい無い、本格的な文学作品となっていると思います。 PR |
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