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文庫版の写真集というのが好きで、時々、買ってしまう。小さいのに結構持ち重りがして、なんだか充実感が感じられる。そんな気分で、先日、衝動的に購入。
Tokyo Style posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.29 都築 響一著 筑摩書房 (2003.3) ISBN : 4480038094 価格 : ?1,260 通常2-3日以内に発送します。 ■内容 淡々と集められた100件余の部屋の写真。1部屋の写真は4,5枚。それに短いキャプションが添えられ、部屋の持ち主の生業や、自室についての考え方、部屋の特徴がつづられる。部屋の持ち主を含め、人間は一切、写っていない。取り上げられているのは、東京に暮らす、ごく普通の若者達の部屋。人に見せるための部屋ではなく、生活するための部屋を普段のまま写し、不在の持ち主達の生活を切り抜いた写真集。 ■感想 この写真集はいくつかのパートに分かれているが、最初のパートのタイトルは「美は乱調にあり」。すなわち、散らかりまくった部屋のコレクション。汚いなぁ、と思いつつ、なんともノスタルジックな気分になってしまう。これら写真が撮影されたのは1991年頃。自分の一人暮らしを終えて実家に帰ったのが89年だから、概ね同時代。自分もこういう汚い部屋に暮らしていたのだから懐かしいわけだ。 続くパートに登場する部屋の多くは、必ずしも汚いという部屋ばかりではないが、どうも男の子の部屋も女の子の部屋も物が詰め込まれすぎという感じ。でも、一人暮らしの頃を思い浮かべると、よく理解できるんだよなぁ。まず、一部屋に全ての持ち物を持ち込まなければならない。それに一人で暮らしているんだから、生活の品も趣味のあれこれも、すぐ手の届くところに物を置いておいた方が便利。で、いろいろなものが手の届く範囲に散らばった箱庭宇宙になっていくんだよね・・・・・・ この写真集に写された部屋の90%は、1996年の文庫化の時点には、無くなっていた(持ち主が変わった、建物が取り壊された)とのこと。そんな“あとがき”を読んでから、もう一度写真を見てみると、どうにも寂しい気分にかられる。一方、2001年に出版された本作の続編『賃貸宇宙』について、著者は、「若者の生活ぶりにはまったく変化が見られない」と書く。本当にそうなのか、寂しく思う必要は無いのか続編も読みたくなった。 PR |
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