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ハヤカワ文庫SFの新刊、ということで見つけて即購入。

アークエンジェル・プロトコル
ライダ・モアハウス著
/ 金子 司訳
早川書房 (2006.9)
ISBN : 4150115818
価格 : ¥987
通常24時間以内に発送します。


■あらすじ

“メデューサ爆弾”と呼ばれる新型兵器が猛威をふるった戦争後のニューヨーク。人々は“リンク”と呼ばれる無線ネットワークの端末を体内に埋め込み、ネットに依存した生活を送る。一方で、戦争と新兵器開発の源と見なされた科学は勢力を失い、宗教が社会と政治に大きな影響を及ぼしている。

ヒロイン、ディードリ・マクナマスは、元ニューヨーク市警刑事の私立探偵。腕利きのリンク捜査官だった彼女は、同僚が起こした謎の法皇暗殺事件の公判で同僚に不利な証言をしたという理由でリンクへのアクセス能力を奪われ、職場を追われたのだ。

ある日、場末の事務所で呻吟するディードリの元に、美男のイタリア系警官マイケルが現れる。彼は、ディードリに、リンクに出現した“天使”の正体を暴いてほしいと依頼する。しかし、“天使”はバチカンからも公認された奇跡。手に余ると躊躇するディードリに、マイケルは、依頼を引き受ければ彼女のリンク・アクセス能力を復活させると持ちかけるのだった。しかし、アクセス能力の復活が実現すれば、それこそまさに奇跡。ディードリはマイケルの正体を疑いつつ、捜査を開始するのだった……


■感想

アメリカ私立探偵作家クラブ賞(シェイマス賞)のペーパーバック部門を授賞したというこの作品、内容成分は、ロマンス+ハードボイルド+ファンタジー+サイバー。成分比率もこの順に大きくなっております。

美男でまじめな警官マイケルにちょいワルな雰囲気の通称モーニング・スター(明けの明星)という兄がいる、という出だしで、おおむねマイケルの正体は割れるのですが、そこからが本格的な捜査と大ロマンスの始まり。あちこちでボコボコにされつつ、マイケルを振り回したり振り回されたりしながら、ディードリは事件の核心に迫って行きます。

自分としては、ロマンスとハードボイルドはちょいと食い合わせが悪いんじゃないの、という気もするし、また、ファンタジー成分の中心である宗教ネタが今ひとつピンと来ない(たとえばディードリの元同僚がダニエルというのだけれど、ダニエルって聖書だとどういう人だっけ?という感じ)ところもあって、乗れない気分で読み進んだのですが、成分ごとに頑張っているのはよくわかる。ハードボイルド成分で賞をもらったというのもうなづけます。

サイバー成分としておもしろかったのは、“リンク”の設定。“リンク”といっても無線ベースで、脳に直結した送受信機を頭蓋に埋め込み、バーチャル・リアリティ的なコミュニケーションとメディア・アクセスをリアルタイムに行うことが一般化しているというのですが、なんとなく、ワンセグ放送受信機とTV電話機能付きの携帯電話を頭に埋め込んでいるようなイメージを受けました。マスメディアの機能も“リンク”に組み込まれており、政治的議論もすべてこの上で行われているという描写もあって、ひょとしてこれが、いわゆる「通信と放送の融合」というやつ?などと思った次第。
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