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第4回小松左京賞受賞作。
上記記事を拝見して興味を惹かれ、bk1初注文時に購入。この時は、あれやこれや一度に1万円も買ってしまったのであった。貧乏性で文庫や新書ばかり買っている自分としては珍しいこと。

火星ダーク・バラード
上田 早夕里〔著〕
角川春樹事務所 (2003.12)
ISBN : 4758410216
価格 : ?1,890
通常2-3日以内に発送します。

■あらすじ

舞台は未来、パラテラフォーミングにより部分的に人が暮らせるようになった火星。執念の捜査で連続殺人犯を逮捕したPD(警察官のようなもの)の水島烈は、犯人護送中に奇怪な幻覚にとらわれ、犯人に逃げられると同時に相棒の女性PDを失う。女性PD殺害の嫌疑をかけられ独り真犯人を追う水島の前に、超感覚を持つ美少女アデリーンが現れる。

■感想

出だしは水島PD主役の警察ものという雰囲気で始まるが、読み終わるとヒロイン・アデリーンの存在感が圧倒的。後半、アデリーンが自ら動き始めるとともにストーリーが回り始める。アデリーンの超感覚も、“他人とのつながり”が重要な鍵となるところが現代風でおもしろい。前半、水島がジタバタと状況と格闘するあたりは、読んでいて、どうも隔靴掻痒なところがある。水島の動きが当たり前すぎて、折角の舞台である“火星”も含めてSF的なアイデアを活かしたものになっていないせいかもしれない。クライマックス、アデリーンの想いがたぎってくると一気に話が盛り上がるが、ここでも水島PDの動きが真面目すぎるというか。「女心のわからない正義感」という設定かもしれないが、最後はヒーローらしくイニシアティブをとってもよかったんじゃない、という感じ。

火星が人類の宇宙進出のフロンティアだというイメージは、「いまどき」、かなり新鮮だった。しかし、近年の火星探査の成果を反映した、K.S.ロビンソンの<火星三部作>やグレッグ・ベアの『火星転移』といった大作を読んだ後では、火星ものとしてはちょっと物足りない。あるいは、少女と火星というキーワードからは、萩尾望都『スターレッド』的な思い入れでもよかったのだが。魅力的なヒロインを描くのには長けた作者という印象で、今後に期待。

■関連リンク

- 作者・上田早夕里さんのHP
雑記、近況等も書かれています。

- SF作家堀晃氏のHPに掲載されたレビュー
作品に登場する新人類“プログレッシブ”に着目するところが、堀晃氏らしくて懐かしい。

著者・上田早夕里さんからのご連絡で追加(2004/5/23)
- 『火星ダーク・バラード』著者インタビュー(Webマガジン『Anima Solaris』第44号)
公式サイト以外の場所で、同作に関する、著者・上田早夕里さんの公での発言が掲載されている唯一のページとのことです。
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