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行きつけの本屋の<普通の>文庫コーナーに並ぶ平積みの中、異彩を放つライトノベル風の表紙と「青春小説の新たな金字塔」というオビの惹句につられて衝動買い。

ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ
滝本 竜彦〔著〕
角川書店 (2004.6)
ISBN : 4043747012
価格 : ¥540
通常24時間以内に発送します。

■あらすじ

下宿で独り暮らしの「オレ」は高校2年生。やり場のない行き詰まり感の中、(初の)万引き(高級霜降り和牛2K)に手を染めた「オレ」は、下宿に戻る雪道、チェーンソーの怪人と死闘を繰り広げるセーラー服姿の(美少女)絵里に出会った。目的も定かでない絵里とチェーンソー男の戦いに巻き込まれた「オレ」は、彼女を助け、(突然)戦いの日々を送ることとなる。いつしか、絵里の存在にも馴染み、戦いにも慣れた「オレ」だが、(当然)別れのときが迫る……


■感想

作者の滝本竜彦さんは「ひきこもり世代」の代表という印象が(なぜか)あったし、オビの惹句がアレなので、わりと身構えて読んだのである。ゼネレーション・ギャップでショックを受けたりするんではないか、と思ったりして。
 
一読後、なんだ素直な青春小説じゃない、ということで、ちょっと安心(?)。青春小説というより、ボーイ・ミーツ・ガールな少年小説というところかもしれない。ちょっと変わったところは“チェーンソー男”との戦いなわだが、これも上遠野浩平あたりと比べると、異様という感じはまったく受けなかった。
 
もうちょっと、独特な雰囲気があってもいいと思うのだが……2作目の『NHKにようこそ!』も読んでみようかな。

しかし、2作目もそうだけど、タイトルがうまいよなぁ。


■関連リンク

- 『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』 滝本竜彦@pillow's book

そこにナイフ美少女とチェーンソー男というのが現われてしまう時点で、(この作品に限らず) 小説 (でもゲームでもアニメでも漫画でも) というものが「虚構」であるということが、嫌になるくらいにすかし見えてしまうわけです。

ナイフ美少女とチェーンソー男という、ある種ありがちなものを持ってきながら、その存在理由にほとんど触れていないという不条理さから、普通の「角川文庫」になったんでしょうね。不条理と言うか、説明を投げ出しているだけという気もしますが。ここに、ヘンな「虚構の理屈」を持ち込むとSFやファンタジーに分類されて、別の棚に埋没することになっちゃんだろうなぁ。
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