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『カタロニア讃歌』、『物語 カタルーニャの歴史』に続くカタルーニャもの。

さらば、カタロニア戦線 上
スティーヴン・ハンター著 / 冬川 亘訳
扶桑社 (2000.10)
ISBN : 4594030017
価格 : ?680
通常2-3日以内に発送します。
さらば、カタロニア戦線 下
スティーヴン・ハンター著 / 冬川 亘訳
扶桑社 (2000.10)
ISBN : 4594030025
価格 : ?680
通常2-3日以内に発送します。

■あらすじ

1936年のヨーロッパ。名門イートン校での挫折、ビルマでの警察勤務ののち、文筆家の道を志す青年、ロバート・フローリー。彼が引き受けたスペイン内戦取材特派員の真の姿は、英国情報部MI6のエージェントだった。ソ連スパイの嫌疑をかけられた旧友の詩人ジュリアン・レインズの監視を、否応無く引き受けさせられたフローリーは、革命と内戦に沸くバルセロナへと向かう。


■感想(結構、ネタバレかも・・・・・・)

イートンからビルマ警察勤務を経て文筆活動に入り、スペイン内戦取材のためバルセロナに赴任。さらにPOUM義勇軍に入隊して、アラゴン戦線で首に銃弾を受け負傷、というフローリーの道行きのアウトラインは、ジョージ・オーウェルのものと同じ。ただし、年齢的には当時のオーウェルが33歳だったのに対し、フローリーは20代後半に設定されている。謎の美女に引っかかる若者、という典型的な役柄には、30代は似合わないということだろうか。それより、有名なキム・フィルビーの事件がプロットの背景にあるので、彼らケンブリッジ卒業生スパイと年齢を合わせたというのが正解か。
 
挫折した青年が無理やり怪しげな仕事を強いられ、謎の美女や因縁深いかつての親友を巡る陰謀に巻き込まれる、というストーリーは、なんとなくステレオタイプっぽい。おまけに『カタロニア讃歌』を読んだ後では、元ネタが割れているような気分になって、ちょっと興ざめ。それでも読ませるのは、キャラクターの造形がなかなか見事なところ。特に、真の主人公とも言えるソ連の老スパイ・マスターと、彼に一度煮え湯を飲まされた経験を持つMI6のコントローラーが印象的だった。

キャラクターはいいんですよ。この種の小説としては、秀逸な方かもしれない。でも、ストーリー的にも個々のシーンの描写についても、いまいち盛り上がりにかけるところが難。ハラハラドキドキのサスペンス要素が足りなくて、ずるずる進んでしまう印象に付きまとわれた。この作家は、他に『極大射程』を読んだけど、もっとおもしろかった気がする。評価の高い“ボブ・スワガーもの”をもっと読んでみようかな。

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