メディヘン3から4への記事移行用なので3.5
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1974年にハヤカワSF文庫で刊行された作品の新装版。
当時の早川書房が、ファンタジー作品をSFで出していたのも仕方が無い。しかし、今は立派なFT文庫もあるのに、どうしてこの作品をFTに入れなかったのだろう。 解説の井辻朱美氏も『指輪物語』と並べて語っている完全なファンタジー作品なのに……SF文庫なんかで出すと、今となっては読者を逃がすような気がする。もったいない。 ポール・アンダースン著 / 関口 幸男訳 早川書房 (2005.6) ISBN : 4150115192 価格 : ?840 通常2-3日以内に発送します。 ■あらすじ 人間たちの間には新しい白い神が力を広げつつあるものの、古き北方の神々やエルフ、トロールなどの仙境の種族が未だその力を保っていた時代。北欧神話やケルト神話に題をとった英雄物語。 イングランドに住みついたヴァイキングの勇者の長子に眼をつけたエルフの太守は、その赤子を手元にさらい、スカフロクと名付けて育てる。エルフたちの元でスカフロクは屈指の戦士として育つが、一方、取り替え子として人間界に残されたヴァルガルドは自らに流れるトロールの血に目覚めつつあった。 知らずに自らの妹フリーダと結ばれたスカフロクだが、トロールを率いるヴァルガルドの力に屈することとなる。定められた運命に従い、二人の取り替え子が戦う時、スカフロクの最後の希望は、北の神々から送られた“折れた魔剣”のみだった…… ■感想 取り替え子であるスカフロクとヴァルガルドの宿命的な闘争、二人がそれぞれ率いるエルフとトロールの戦争、さらには、北の神々・アサ神族と彼らの宿敵・巨人族の争い、全てを覆う<白きキリスト>の影……といった、さまざまな相克の要素が重層的に絡み合い、一大迫力の英雄物語となっています。さらに、こうした争いの中で運命に翻弄されるままの美女フリーダ。彼女の運命が、ただ悲劇的なだけに、その姿は物語に美しく映えるのでした。 出だしから終局まで、ゆるみも破綻もなく走りきるのは、さすが巨匠アンダースン、といったところか。訳文も、読みやすさと格調の高さを兼ね備えたもので満足できました。 PR |
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