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自転車ツーキニスト疋田智・著で、このタイトルとくれば自転車物エッセイっすね、ということで何も考えずに購入。読んでみたら、自転車物ならぬ銭湯物エッセイでした。これはこれでいいけど、正直、肩すかし喰らった気もする……
自転車とろろん銭湯記 posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.30 疋田 智著 早川書房 (2005.5) ISBN : 4150502986 価格 : ?609 通常2-3日以内に発送します。 ■内容 自転車エッセイで有名な疋田智氏のもう一つ(?)の趣味「銭湯巡り」が嵩じて書かれた銭湯エッセイ。急速に数を減らす銭湯への限りない愛着を込め、東京各地の名銭湯案内、自転車通勤と銭湯の関わり、銭湯で出会った人々の姿、「神田川」銭湯探訪記などがユーモラスでときどき真面目な文章によって描かれる。 2001年に朝日出版社より刊行された『銭湯の時間』を再取材の上、書き直したものとのこと。その結果、一人称が三人称のヒキタ君視点の文章になってしまったというのが、なんとなくおかしい。 ■感想 本書によれば東京都内の銭湯の数は、2005年現在で1,051軒。まだまだ多いような気もするけど、2000年には1,300軒以上あったんだよ~、減っているでしょう~と言われると、そういう気もする。なかなか辛い商売なんだろうというのもわかるし、さりとて、収益と利益にこだわったスーパー銭湯とか健康ランドとかいうものには、銭湯の風情が感じられないというのも、その通り。たしかに、放っておけば消え行く運命にあるものなのかもしれない。 自分自身を振り返ってみると、ずっと自宅に風呂があったので、生活の一部として銭湯に通った記憶は無い。しかし、小学校の3,4年生の頃に自宅の風呂ガマが壊れ、その修理の間に、友だちを誘って銭湯に行っていた想い出がある。そう言えば、仲間うちで妙に銭湯ブームになっちゃって、風呂ガマが直ったあとも町内の銭湯巡りをしたっけなぁ。やはり、独特の魅力があるんだな、銭湯って……などと、「たまには銭湯に行ってみるか」という気にさせるのが本書の魅力でありました。 数ページのエッセイと蘊蓄コラムを集めた構成なのだが、中でもおもしろかったのは、変人留学生を銭湯に誘った学生時代の想い出「エディ君 ZENを悟る」。イマイチ日本人とコミュニケートできていない米国人留学生のエディ君が、無闇に熱いお湯の銭湯で地元のオジさんと触れ合う姿を描いたエピソードは、ありがちだが、やっぱりしんみりさせられる。 随所に挿入されるカット(銭湯のスケッチ)も著者自筆。多芸な方です。 PR |
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