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知人が蔵書を処分するという中から、攫ってきたものの一冊。

日本の国立公園
加藤 則芳著
平凡社 (2000.12)
ISBN : 4582850677
価格 : ¥798
通常1-3週間以内に発送します。

■内容
タイトル通り、日本各地の国立公園の概要・現状について、著者が実際に訪れた際の訪問記や、担当のレンジャーへのインタビューなどで紹介。

取り上げらている主な国立公園は、知床・吉野熊野・箱根(富士箱根伊豆)・屋久島(霧島屋久)・西表・釧路・上高地(中部)・安達太良(磐梯朝日)など。八幡平・九重・大雪山・日光・小笠原なども訪問時のレポートが掲載されている。

冒頭では、“国立公園”というものの思想的源流として、アメリカの国立公園を生み出したジョン・ミューアや、彼に活動のきっかけを与えることとなったラルフ・エマーソンやヘンリー・ソローについても詳しく紹介している。


■感想

あまり意識していなかったのだが、日本の国立公園というものが、かなり無理のかかった制度であることが、この本を読んでよくわかった。

人が住んでいるところを公園として指定せざるをえない、というのが根本的な問題の一つ。その結果、環境庁のレンジャーは、公園内での建築等々の許認可事務に追われ、現場に出る余裕もないというのは、本末転倒というかなんというか。

また、木材資源として経済価値を持つ原生林の多くは、国有林として林野庁の管轄になっていて伐採を防ぐのもままならない、という状況は全く知らなかった。 “林野事業特別会計”という代物の資産として扱われている限りは、保護だけ叫んでいればよいというものでもないというのはわかるのだが、なんとも日本的な世知辛さでクラクラしてしまう。森林の存在しない釧路湿原の保護が進んでいるというのが、なんとも皮肉。

本書は出版されたのが2000年、元になった原稿の中にはそれより10年以上前のものもあるということなので、情報としては多少古いところもあるようだ。(たとえば、知床や吉野の2005年の世界自然遺産登録などは当然、触れられていない)

ただ、各地の現地紹介は、著者が実際に訪問した経験をもとにしているだけあってリアル。山岳中心だが、普通思いつくような主な国立公園は一通り網羅されているので、各地の魅力を一度に知ることができるのが嬉しい。この本で書かれている各地の自然の魅力が、今でも変わらず遺されていると思いたいのだが……


■関連リンク

- 著者・加藤則芳氏の公式HP、ブログ:
「バックパッカー 歳時記 -ロングトレイルは夢の橋-」
アメリカのアパラチアン・トレイル、ジョン・ミューア・トレイルの紹介記事、著者が暮らす八ヶ岳や日本各地の山々についてレポートなど。写真が美しい。
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