メディヘン3から4への記事移行用なので3.5
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映画『Avalon』公開に先立つプロモーションに合わせて出版されたもの。本棚から引っ張り出して再読。
押井 守著 メディアファクトリー (2000.12) ISBN : 4840101574 価格 : ?1,260 この本は現在お取り扱いできません。 ↑こちらのソフトカバー版は絶版? 現在、bk1で入手できるのは、下の文庫版↓。 押井 守著 メディアファクトリー (2003.3) ISBN : 4840107424 価格 : ?609 通常2-3日以内に発送します。 ■あらすじ 映画『Avalon』の後日談ともいうべき内容。 主人公は、20世紀の戦場を舞台にしたMMO-RPG<アヴァロン>のプレイで生計をたてるプロ・ゲーマー。現実に匹敵するリアル感を誇るヴァーチャル・リアリティ技術を使用したネットワーク・ゲームである<アヴァロン>は、その耽溺性から非合法化されるも、主人公のように、このゲームを人生ととらえる多数の利用者を引き寄せていた。 パーティ・プレイが前提となる<アヴァロン>において、報酬目当ての傭兵稼業の日々を送る主人公は、傭兵仲間から奇妙なクライアントの噂を聞く。単独プレイヤーの美女が、常識はずれに高額な報酬を提供して実力派の傭兵を集めているらしい。そして、主人公の元にも、謎の美女・アッシュが現れる。彼女の依頼は、クリア不能と言われるゲーム・フィールド“虐殺の橋”への挑戦だった・・・・・・ ■感想 現実の閉塞感から脱出するためのヴァーチャル・リアリティ<アヴァロン>。その中でも、現実同等のリアリティを持つとされる<クラスA>のゲーム・フィールド。そして、物語の中で示唆される<クラスA>を超える<クラスSA>の存在。近未来の現実とクラスAのゲームの魅力を描いた後、主人公がクラスSAを目指すという展開は、映画『Avalon』と同様。 クラスSAとはいったい何か、という、映画『Avalon』でも少々わかりにくかった点については、本作では、 「<アヴァロン>という世界を概念として包摂し得る、つまりその外側に立ってこれを客体化し得る世界ということになる」 というような言葉で解説される。同様なわかりにくさはあるものの、こういう言葉で語られると、 僕が描きたいのは現実と虚構の境界はもっと曖昧なんじゃないかということだから (“「イノセンス」という名の“罠” 押井守監督に聞く(2004/3/16)”より)という押井作品ならではの感覚が味わえて楽しい。 映画『Avalon』のヒロインであったポーランド美女アッシュが、主人公の導き手として再登場するという意味で、この作品は映画の後日談なのだが、実質的には、語り直しに近い。(発表はこちらの方が先だが) とは言え、どうも海外という撮影舞台や実写特撮技術を活かしきっていないように見えた映画に比べ、いかにも押井キャラな傭兵仲間によるドタバタあり、銃器に関するオタク談義あり、“Avalon”というタイトルとのつながりを語るアーサー王伝説に関する大量の薀蓄あり、ということで、押井作品としてはよっぽどこちらの方が楽しめた。分量がそれほどないせいか、1個の作品としてきっちりまとまっており、破綻したところが無いのも魅力。 山田正紀の『イノセンス』、神林長平の『ラーゼフォン 時間調律師』といった、SF作家によるノベライゼーションより小説としての完成度はずっと上に感じられる。押井氏の大方の映画作品より、おもしろかった(^^;)。2000年の出版だが、まさしく「引きこもり」と「ネットワーク・ゲーム」の関係を指摘した作品ともとれる。 ■関連リンク - 押井守公式サイト・ガブリエルの憂鬱 - 押井守とは・はてな PR |
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