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夏頃に買って、積読状態で放っておいたもの。
『外人部隊の女』が重かったので、軽いSFが読みたくなり、出張の際に持っていって一気に読んでしまった。

親切がいっぱい
神林 長平著
早川書房 (2003.8)
ISBN : 4150307334
価格 : ?630
通常2-3日以内に発送します。

■あらすじ

この本、初出は1990年とのこと。この年は、他に『帝王の殻』『完璧な涙』『我 語りて世界あり』が出ております。

神林長平・著作リスト

この頃の作品でも、以前・以後の作品でも、神林長平の小説に共通するのは、舞台となる世界のルール。いや、ルールというより「律」と言った方がいいのかもしれない。この世には「因果律」=原因があって結果がある、といったルールがありますが、この世界の有様を律する基本的なルールに独特なアイデアを盛り込むのが、神林ワールドの特徴だと思います。

本作品の世界を律するのは、「全ての職業(泥棒やヤ○ザも含め)を政府による免許制とする」という法律。主人公の良子は、まだ免許の対象となっていない「ボランティア斡旋業」の社員。彼女が暮らす古アパートが、地上げによる立ち退きを迫られることになり、それを阻止するべく住民たちが立ち上がる・・・というのが基本的なストーリー。これに突然、空から降ってきた宇宙人が絡みます。しかし、特に大立ち回りやドタバタになるわけでもなく、たんたんと話が進むのが、この作品の特徴。
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第2次大戦中にフランス外人部隊に従軍し、戦後、レジョン・ドヌール勲章を受けた女性の手記。上記の島謙作さんの記事を読んで、面白そうだと思っていたところ、ちょうど巡回先の古本屋で発見。さっそく購入して読んで見た。
 
この手記、戦争小説・冒険小説・恋愛小説とも読める優れもの。紹介の方も力が入って、長くなってしまいました・・・

外人部隊の女
外人部隊の女
posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.29
スーザン・トラヴァース〔著〕 / 高橋 佳奈子訳
新潮社 (2003.9)
ISBN : 4105435019
価格 : ?2,100
通常2-3日以内に発送します。

■内容

この自伝の主人公であり著者であるスーザン・トラヴァースは、1909年(明治42年)生まれ。彼女の人生は概ね、第2次大戦を軸にした三部に分かれている。

第1部は、誕生から第2次大戦開戦まで。1909年に生まれた、ということがどういうことになるかというと、 
 
 第1次世界大戦終戦(1918) → 9歳、 第2次世界大戦開戦(1939) → 30歳
 
 ということで、10代と20代が両世界大戦間にすっぽり入ってしまう。戦勝国たるイギリス軍人の家庭に生まれた彼女だが、第1次大戦後の思春期時代をカンヌで過ごすことになる。これは、退役して恩給生活に入った父が、ポンド高を活用するため、フランスでの生活を選択したため。両親は風光明媚なカンヌで優雅な引退生活を送ろうと考えたのだろうが、著者曰く、当時のカンヌは「金持ちとそれに群がる若い女ばかり」というところ。そうした環境での外国暮らしが多感な少女に良い影響を与えるわけはなく、成長して独立したスーザンは、華やかな生活にあこがれてばかりの「ふしだらな女」(これも著者曰く)になってしまう。大戦間のヨーロッパ上流社会の状況というのは、なかなか想像が及ばないところがあるが、父親に認められたい一心でテニスの腕を磨いていたスーザンは、ヨーロッパ各地のテニス大会(&パーティ)を渡りあるく生活で20代を送ることになる。
 
 30歳となり、浮き草暮らしにも倦んできたスーザンは、フランスのとあるシャトーで第2次大戦開戦のニュースを聞く。恩義を感ずるフランスへの貢献の精神に駆られた彼女は、勇躍、フランス赤十字に参加。戦争初期にはフィンランドへ送られた彼女だったが、ナチス・ドイツのフランス占領という状況から、ド・ゴール将軍が引きいる自由フランス軍に同行、アフリカに向かう。亡命政府の軍隊であった自由フランス軍は外人部隊を中核とした寄せ集め。この部隊に同行したことが、スーザンと外人部隊の関わりの始まりとなる。
 アフリカのフランス植民地を巡るうち、すっかり看護婦がいやになったスーザンは、これも父親仕込みの自動車運転の腕を活かし、ついには、中核部隊を率いるケニーグ将軍付きの運転手を勤めることになる。いつしかケニーグ将軍と恋仲になったスーザンは、部隊が待機状態の間、ベイルートで将軍と共に暮らし、既婚者である彼との別れの予感におびえながらも絆を深める。結局、部隊の前線への派遣にも運転手として将軍に同行した彼女は、自由フランス軍の曹長に任ぜられる。ドイツ軍の砲爆撃に怯えながらの塹壕暮らしにも耐えた彼女は、激戦地ビル・ハケイムでの戦いの際にも、銃弾が飛び交う戦場で車を駆り将軍の脱出を実現する。(この手記によると、パリの地下鉄のビル・アケム駅の名は、この激戦地からとられているということ)
 
 著者の人生の第三部は、第2次大戦の終戦後。戦争中、ケニーグ将軍に尽くしたスーザンだったが、第2次大戦の終結は彼との別れをもたらす。最終的に、戦後のフランス軍の中核を担う将軍の立場を思い自ら身を引いたスーザンは、生死を共にした外人部隊への正式入隊を決意する。部隊と共にインドシナ(つまりベトナム)に赴いた彼女は、部隊の戦友と結婚。子供の誕生、スーザンの退役、夫の罹病と退役といった事件を経ながらも、人生の後半は、過去を封印して平穏な暮らしを送る。夫の死後、レジョン・ドヌール勲章を受けた彼女は、老人ホームで余生を送る中、封印を解いて本書を発表……
“なんでもありSF”<ハイペリオン>四部作で度肝を抜いてくれたダン・シモンズ。彼の作品集ということ、それに、例によってタイトルを気に入って購入。

夜更けのエントロピー
ダン・シモンズ著 / 嶋田 洋一訳
河出書房新社 (2003.11)
ISBN : 4309621813
価格 : ?1,995
通常2-3日以内に発送します。

■あらすじ

本書は、ダン・シモンズの1982年のデビュー作から、95年の作品まで7編を集めた日本オリジナル編集の短編集(大部分は再録作品)。分野としては、SFという感じではなく、どちらかというとホラーというところか。ダーク・ファンタジーという言い方が合うのかもしれない。
コーネルの箱
コーネルの箱
posted with 簡単リンクくん at 2006. 7.29
チャールズ・シミック著 / 柴田 元幸訳
文芸春秋 (2003.12)
ISBN : 4163224203
価格 : ?2,940
通常24時間以内に発送します。


私の”泣けるSFトップ10”に入ること間違い無しの名作に、ウィリアム・ギブスン『カウント・ゼロ』がある。衝撃度なら『ニューロマンサー』だが、泣ける度なら、断然、『カウント・ゼロ』。(『モナリザ・オーバードライブ』は、自分的には一段落ちる評価)
 
その『カウント・ゼロ』の”泣ける度”大幅UPに貢献しているガジェットが、「コーネルの箱」。いや、作品のテーマからすると、主要モチーフと言うべきか・・・だいたい、『カウント・ゼロ』の話の1/3は、この「箱」を追っかけるストーリーなんだし。
 
「コーネルの箱」というのは、アメリカの芸術家、ジョゼフ・コーネルが作成した作品シリーズのこと。コーネルは、シュールレアリズムに影響を受け、コラージュ技法に基づく一連の「箱」を作成した。ギブスンの作品では、文明の象徴としての”ゴミ”と、そのコラージュが重要な役割を果たしており、『カウント・ゼロ』ではテーマに関わる重要なモチーフとして「コーネルの箱」が登場している

私自身は、これまで2回、「箱」の実物にお目にかかる機会があった。1回目は、軽井沢のセゾン現代美術館において。2回目は、Washington D.C.のNational Gallery of Artにおいて。いずれも、『カウント・ゼロ』にもモダン・アートにも興味0、超リアリストな同行者に配慮しなければならなかったため、じっくり鑑賞できなかったのだが・・・今となっては、「箱」を求め、歩きつかれた妻とベビーカーを引きずって、National Galleryを探し回ったのも良い思い出だが。
会社帰りに古本屋で買ったもの。おおげさに言えば一種の「奇書」というヤツかもしれない。ジャンルをSFにしたが、一般にはアクション小説に分類されるものだろう。

アフリカン・ゲーム・カートリッジズ
深見 真著
角川書店 (2002.12)
ISBN : 4048734342
価格 : ¥998
通常2-3日以内に発送します。

■あらすじ

何も無い虚空より何時でも発射できる状態の銃器を生み出すことができる「銃使い」。ストーリーは、銃使いたちと彼らを社会から排除しようとする勢力の間の戦いを描いた物語。舞台は近未来の日本(というか東京)で、概ね現実と重なってはいるものの、銃使いの存在により、政治状況などには違いがある。


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